お釈迦さまとピアス

耳たぶにつけた金の耳飾りは知恵や幸運を呼ぶと言われて、インドでは昔から男女の区別なくピアスをする習慣がありました。

お釈迦様も例外ではなく、お釈迦様の若い頃がモデルとなっている観音様がピアスをしているのも不思議ではありません。仏教用語でピアスのことを耳(じとう)、ピアスホールの事を耳朶環(じだかん)と言いますが、お釈迦様は悟りをひらいてからはピアスを外している方が多かったようです。お釈迦様の姿に似せてつくられた鎌倉の大仏様の耳たぶには、向こう側が見えるほど大きなピアスホールがあいています。これぐらい大きなホールだとトラブルを起こすことはまずありません。賢いお釈迦様は意識的にピアスホールを大きくしていたのかもしれません。

なおピアスをすると賢くなるという言い伝えは世界各国にあって、シェークスピアも左耳にピアスをしていたそうですよ。お洒落に加えて他人との相違を強調し自己を主張するためにピアスをする男性が増えています。昔はファッションのためばかりではなく、願い事が叶うようにとか、あるいは宗教上のしきたりなどの理由から男女の区別なくピアスをしていたと言われています。

たとえば長く遠くに旅行に出るときには、今と違って再び戻ってこられるかどうかたいへん心配だったようです。恋人同士や仲の良い夫婦は、耳たぶに片方ずつ同じピアスをしていれば必ず生きて再会できると信じられていたそうです。ピアスは2個1組ですから、お互いを呼びあうと言うのです。 男女が仲良く歩くとき、男性の左腕と女性の右腕を組みます。男性は利き腕の右手を自由にしておかなければ、いざというとき女性を守れないからです。つまり、男性の左耳につけたピアスと女性の右耳につけたピアスは、いつも離ればなれにならないようお互いを見つめ合っているわけです。男性の左耳のピアスは、女性を守る優しく逞しい男の象徴なのです。

ピアスをするという行為は受け身のお洒落ではなく、自意識に目覚めた前向きな意気込みが感じられます。ピアスをしたために積極的な人間になるのではなく、積極的な性格の人がピアスをするのです。いつも前向きの気持ちで積極的に暮らすようになれば、それまでの人生とはおのずと変わっていくはずです。

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